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【美術館巡り】近美コレクション「おはなし美術」(2026年4月12日まで開催)
久しぶりに、
北海道立近代美術館、
通称=近美(きんび)へ行ってきました。
札幌市中央区北1条西17丁目にある、1977年開館の道立美術館。
意外と70年代開館したんですね!もっと古いと思っておりました。
館内に入ると、近美ならではの、あの静かで凛とした空気。
独特な空間なんですよね。
【近美コレクション】おはなし美術

今回観てきたのは
「近美コレクション おはなし美術」
(2026年4月12日までやってます)
テーマは「おはなし」です。
古くから伝わる説話や物語、言葉遊び、絵本、スピーチ、対話。
「伝えること」そのものを糸口に、美術作品を紹介する展覧会です。
作品をただ“見る”というより、
物語を読み解くように味わう展示でした。
▼それでは、私が印象に残った作品をご紹介していきます▼
・中谷有逸『碑・古事記(オキナガタラシヒメとその御子)』2014年。

古事記をモチーフにしながら、
現代的な解釈やかたちで再構築されていて、
「昔話は過去のものではなく、今に続いているんだ」と思わせるような作品です。
色使いは2010年代とわかるような雰囲気。
現代的ですよね。
・砂田友治『時は止まり、釘は折れた』1992年。

砂田友治は、1916年に苫小牧生まれです。
全道美術協会(全道展)などで長く北海道の美術界をリードした洋画家。
晩年は、初期のリアリズムから転換し、キリスト教の説話、天使、太陽、あるいは壊れた時計や幾何学的な形(四角や三角)といった、抽象的かつ神秘的な題材を好んで取り上げました。
細かい描き方や、怒りがこもっているような鋭利さを感じる作品。
こちらは、栗谷川健一氏。
色が鮮やかで素敵ですよね〜〜。
見入ってしまう。
毎度、近美の展示で見ていますがやはり美しいです。

栗谷川健一さんは、北海道出身の有名なグラフィックデザイナーです。
1911年、北海道岩見沢市生まれで、1999年8月12日に88歳で没しました。独学でデザインを学び、1930年代に函館や札幌で看板職人や印刷業に従事し、1948年頃に独立。 生涯を北海道に拠点に置き、「北海道デザイン界の父」と称される存在となりました。
主な業績は、観光ポスターを中心に、北海道の自然、酪農、アイヌ文化をモチーフとした作品を多数制作していて、さっぽろ雪まつり、札幌冬季オリンピック(1972年)の公式ポスター、冬季五輪札幌招致ポスターなどを手がけました。
1953年と1956年に世界ポスターコンクールで最優秀賞を受賞し、国内外で評価を集めました。


この展示にも、
浮世絵界の革命児・歌川国芳の作品があった。

・マックス・クリンガー『手袋』1881年。

10枚のエッチングとアクアティントによる連作版画。
※アクアティントとは、18世紀に開発された、面で柔らかな濃淡を表現できる銅版画の腐食技法。松脂やアスファルトの粉末を版面に振りかけて熱で固着させて、腐食させることで、水彩画のようなザラザラとした面や、滑らかな砂目調の効果を生み出します。 とのこと。
クリンガーは、ドイツの象徴主義画家。
下記の作品は彼の代表作で、
ローラースケート場で男性が女性の手袋を拾うところから始まる
幻想的な物語を描いています。
現実と夢、恋愛の願望や不安が交錯するシュルレアリスム(超現実主義)の
先駆的作品として知られていて、後世のシュルレアリストに影響を与えました。


ストーリー
-
男性が手袋を拾い、家に持ち帰る(現実から幻想へ移ります)。
-
船で手袋を救助したり、馬で凱旋したり、怪物に誘拐されたりする夢の場面が描かれます。
-
最終的に手袋はキューピッドのもとに落ち着いて、
-
恋の象徴としてハッピーエンドのような雰囲気で終わる不思議な作品。

手袋という題材を選んでいるのも
ぐっとくるポイント。
文章がないのに、サイレント映画のように
物語が見えてくる不思議な絵です。好き。
・レンブラント『寺院のシメオン』1639年。

レンブラント・ファン・レインは、
17世紀のオランダ黄金時代を代表する画家で、光と影の魔術師として知られています。
1606年、オランダのライデンに生まれ、18歳で画家として独立。
キアロスクーロ(明暗法)を極めていて、
光の効果で人物の内面だったり感情を深く表現します。
宗教画、肖像画、神話画がうまく、ストーリーを重視した革新的な構成が特徴です。
※キアロスクーロは、イタリア語で「明(chiaro)と暗(scuro)」を意味する美術技法で、
光と影の強いコントラストを使って立体感を出す効果があるそうです。

今回の展示は、
かけことばを取り入れた浮世絵だったり、
絵本の挿絵から、説話をモチーフにした絵画、
想像力あふれるこの時代にこんな作品まで?と思うほどの
版画連作など、バリエーションも豊かな展開でした。
さらに、立体作品(銅像や木工作品)に触れられるコーナーもあって、
“見る”だけじゃなく“感じる”体験もできる構成でした。
美術って難しいと思われがちだけど、
「おはなし」という入口があるだけで、
ぐっと親しみやすくなりますよね。
作品と対話するような感覚です。
近美は、
・北海道にゆかりのある作家さんの作品
-
・日本近代美術
-
・エコール・ド・パリ
-
(20世紀初頭にパリで活動した外国人画家たちの総称で、
-
特定の流派ではなく多様な個性が集まった芸術運動)
-
・ガラス工芸(めっちゃある)
・現代美術 など約5,000点以上を収蔵してある場所です。

北海道の作家では
片岡球子(北海道の歴史的な建物によく飾られています)や
岩橋英遠の作品も所蔵しています。
何度行っても、新しい発見がある場所です。
北海道には美術館が少ないので
これからもいろんなジャンルの展示会をやってほしいですね〜。
春まで開催しているので、
気になった方はぜひ足を運んでみてくださいね〜。
また今度ゆっくり、
近美を味わいに行こうと思います。
ピースピース✌️
館長 ちゃぼ

